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糸魚川ユネスコ世界ジオパーク特集!【23】
2017/08/17
それでは、糸魚川ユネスコ世界ジオパーク特集!第23弾
【23.権現岳ジオサイト】山間部の小さな不思議な変動帯
権現岳(1104m)は鉾ヶ岳の前衛峰であり、その名のとおり信仰の対象となっています。権現岳は、ヒン岩でできたフォッサマグナの地層中の貫入岩体であり、板状節理や小断層が発達しています。ここは1947(昭和22)年に、有名な柵口地すべりが発生したところで、戦後の地すべり調査の契機となりました。

この地域一帯には、天然ガスが自噴し、集落で煮炊きに利用されており、また、温泉も湧出していて温泉宿もあります。さらに、権現岳の貫入岩の地下では、微小地震が群発することがあります。

1986(昭和61)年1月、権現岳で発生した雪崩が集落を襲い、13名の犠牲者を出しました。雪崩が走った凹地は、昭和22年の柵口地すべりで生じた地形的な凹地でした。現在、雪崩の巨大な防護柵が見学できます。

天然ガス・温泉、地震、地すべり、雪崩の発生は、マグマの貫入と権現岳の隆起運動に起因しているらしいのです。

1)権現岳(ごんげんだけ)
約100万年前に地下から上昇してきたマグマが、浅い場所で固まったもので、ヒン岩という岩石でできています。形の良い目立つ山ということで信仰されてきた山です。中腹には、夏になっても残る「万年雪」があり、冷蔵庫のない時代には子どもの熱を冷ましたり、魚を冷やすために使われていました。

2)雪崩防護柵(なだれぼうごさく)
1986(昭和61)年の雪崩災害のあと、大規模な防災工事により、雪崩の方向を変える「雪崩誘導堤」や勢いを弱める「減勢柵」、雪崩を止める「防護柵」が作られました。

3)雪崩溝(なだれみぞ)
万年雪から権現岳の崖を見上げてみると、たくさんのたて方向の細かい谷が見えます。この谷は雪崩溝と呼ばれて、雪崩や雨で岩石が削られてできたものです。

4)柵口温泉(ませぐちおんせん)
権現岳のマグマの熱によって、ふもとの柵口地区では温泉がわき出しています。

5)雪崩慰霊碑
柵口雪崩の犠牲になった方々の慰霊碑で、1986(昭和61)年11月に建てられました。

糸魚川世界ジオパークを巡った後は、ホテル國富アネックスの開放的な露天風呂で旅の疲れを癒していただき、レストラン『ラ・パレット』で地元五蔵の地酒とお料理を、ご堪能くださいませ。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。